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大和化学工業株式会社
快適温度維持剤「プレサーモCシリーズ」


吸熱と放熱を繰り返し温度制御
衣料、寝装、作業着用に好適

大和化学工業(株)はこのほど快適温度維持剤である高級脂肪族炭化水素を芯物質とするマイクロカプセル加工剤「プレサーモC-25、C-31」を開発、上市した。用途はシルクを除く各種繊維用に適用できる。他に産業資材用も開発済み。 以下は「プレサーモCシリーズ」に関するインタビュー内容である。

(聞き手=textileinfo編集部)


25℃を境に温度を制御
肌着、シャツ、寝装等に向く

「プレサーモC-25」は25℃を境に吸熱と放熱を繰り返して温度を制御する機能を有している。

そのため同製品を後加工で繊維(シルクを除く)にパディング等によって含浸加工することによって、繊維の表面温度が一定に保たれやすくなり、人にとって快適である温度領域を維持させることが可能となる。肌着、カッターシャツ、寝具、作業着などに好適としている。

大和化学工業(株)は31℃を境に吸熱と放熱を繰り返す「プレサーモC-31」も開発済み。

又、同社は「プレサーモC」シリーズとして断熱材等、産業資材向けに温度帯が違う2品目も用意している。

大和化学工業(株) 研究開発統括部長 中村晨一氏、営業統括部 担当係長 針生智明氏は「プレサーモC-25」及び「プレサーモC-31」の特長について、次のように語る。






研究開発統括部長
中村晨一氏




営業統括部
担当係長
針生智明氏

中村= 「プレサーモC-25」は、潜熱による熱交換の原理を利用した製品です。わかりやすくご説明しますと、水は0℃で氷になります。「プレサーモC-25」の高級脂肪族炭化水素は25℃で凍り、25℃で溶けます。「プレサーモC-31」は31℃で凍り、31℃で溶けます。他に非繊維用として温度帯が違う2品目があります。

問= 何故、25℃や31℃という温度にされたのですか。

針生= 25℃は日本の平均気温、人間が心地よいと感じる温度です。31℃は人間の表面皮膚温度が33℃前後ですので、それより少し低い温度が冷たいと感じるというところから、この温度設定になりました。

問= 温度によって、使いわけるというわけですね。

針生= そうです。例えば熱帯夜で、寝室の温度が25℃を超える場合は「プレサーモC-25」ではなく、「プレサーモC-31」を使って加工したシーツで寝れば、快適に眠れるというわけです。

問= では、「プレサーモC-25」で加工したカッターシャツを着用して、炎天下で仕事した場合、「プレサーモC-25」は溶けて、冷たくなくなりますね。その後、どうなるのですか。

針生=

「プレサーモC-25」は25℃付近で溶けたり、凍ったりしますが、急激に温度が上昇、下降することはありません。温度の変化にブレーキがかかります。

図-1 「プレサーモC−25」と「プレサーモC−31」の温度変化
(クリックすると拡大表示します)

図-1を見てください。図-1は「プレサーモC-25」と「プレサーモC-31」の温度変化を測定したものです。この結果から「プレサーモC-25」は25℃付近で、「プレサーモC-31」は31℃付近で、環境温度変化に対し、一定の温度保持機能を有していることが確認できます。

例えば「プレサーモC-25」で加工したカッターシャツを着用した人が、暑い屋外からクーラーが非常にきいた冷たい室内に入っても、急にヒヤーとすることがありません。除々に冷たくなります。また暑い屋外に出ても、温度は急上昇しません。屋外に居続けると、「プレサーモC-25」の温度は上がり、最終的には溶けます。その後、熱いので汗をかきます。汗をかくと、蒸気圧などで、カッターシャツは冷えます。「プレサーモC-25」はその熱を蓄積して、温度が上がっていくのを防ぎます。また逆に「プレサーモC-25」は溶ける時だけでなく凍る時にも熱がいるので、暖かさを保持することが出来ます。


「プレサーモC-25」の熱交換
半永久的に効果つづく

問= では、「プレサーモC-25」で加工した布と未加工布とでは、環境温度の変化に対し、どのような違いがあるのですか。

針生=

その結果を表したものが図-2です。「プレサーモC-25」加工布は、未加工布に比べて、25℃付近の潜熱の為、降温が緩慢になり未加工布よりも室温に近づく速度が遅くなっていることがわかります。

図-2 「プレサーモC−25」加工布の表面温度変化
↑(クリックすると表示します)

問= 「プレサーモC-25」加工布の潜熱による熱交換はどれくらいの期間有効ですか。

中村=

「プレサーモC-25」が加工素材に残っている限り、半永久的に続きます。

潜熱の理論は昔からかなり知られていました。空港のエアコンの空調とか、電気関係ではこの理論はよく使われています。しかしそれを薬剤として製品化するのが難しかった。それを大和化学工業(株)はマイクロカプセルにすることができました。それも繊維より小さいマイクロカプセルにすることが出来ました。

快適温度維持剤だけですと、洗濯したら流れてしまいます。又、化学的・物理的にも不安定な為、物質的に変わったりします。そのため我が社は「プレサーモC」シリーズを快適温度維持マイクロカプセル加工剤にしたわけです。

問= 「プレサーモC-25」加工布の洗濯耐久性はどうなっていますか。

中村=

図-3を見てください。「プレサーモC-25」加工布です。「プレサーモC-25」のマイクロカプセルは繊維よりも小さいので、繊維と繊維の間に入りこみ、バインダー(ファイコート)できっちりと留まっています。洗濯しても非常に落ちにくくなっています。

図-3 「プレサーモC−25」加工布への付着状態
↑(クリックすると表示します)

問= マングルなどで絞った場合、マイクロカプセルが潰れることはありませんか。

中村= 「プレサーモC」シリーズのマイクロカプセルは繊維よりも小さいため、マングルで処理しても、繊維の方が太いため、潰れません。そのためマイクロカプセルが潰れて洗濯で油ジミが出来たり、マイクロカプセルの中の快適温度維持剤が流れ出たりすることもありません。


シルク以外の繊維に
「プレサーモC-25」は適用

問= 「プレサーモC-25」、「プレサーモC-31」は、どの繊維に使えますか。

針生= シルク以外のものなら、何でも。ただしウールは、ウール自体が熱を持っているので、「プレサーモC-25」や「C-31」の効果がわかりにくいかもしれません。

問= どのような製品向けですか。

針生=

カッターシャツ、ブラウス、肌着、シーツ・布団などの寝装関係、作業着向けを考えています。特に形態安定加工しているカッターシャツは蒸れることがありますので、「プレサーモC-25」による加工が有効と思います。

しかし、この「プレサーモC-25」、「プレサーモC-31」が持つ潜熱による熱交換効果を、どのように使っていただけるか、お客様の方から色々アイデアが出てくるのではないかと、楽しみにしています。

問= カッターシャツ、肌着などは直接、肌に触れるものですが、「プレサーモC-25」は皮膚を刺激しませんか。


皮膚刺激性テストは
問題がない結果を得た

中村= 「プレサーモC-25」の皮膚刺激性については、既に社内でバッチテストを行いました。皮膚刺激性については問題ないという結果が出ています(図-4)。今、日本産業皮膚衛生協会(日皮協)のデータをとっています。

図-4 「プレサーモC−25」の皮膚刺激性
↑(クリックすると表示します)

問= 肌着ですと、フォルマリンの含有量が問題になってきますが、それについてはいかがですか。

中村= 繊維加工した時に75ppm以下です。問題のない数値となっています。

問= 「プレサーモC-25」は、どのような加工設備が必要ですか。

針生= パディング装置で加工できます。個々の染色工場さんによって保有される装置が違いますので、現有の装置で加工できるか、ご相談いただければと思います。以下、「プレサーモC-25」の内容です。


快適温度維持マイクロカプセル加工剤
「プレサーモC-25」の詳細内容

「プレサーモC-25」は快適温度維持剤である高級脂肪族炭化水素を芯物質としたマイクロカプセル剤である。「プレサーモC-25」に含まれる高級脂肪族炭化水素は周囲の熱変化によって吸熱と放熱を繰り返して温度制御する機能を有している。

「プレサーモC-25」を繊維等に加工した場合、その表面温度が一定に保たれやすくなり、人にとって快適である温度領域を維持させることが可能となる。


▼性状

外観: 乳白色液体
pH: 8.0±2.0(原液)
比重: 0.985±0.050(20℃)
0.940±0.050(30℃)
融点: 25℃


▼特徴

  • メラミン樹脂被膜のマイクロカプセル剤である。

  • 本製品に含まれる高級脂肪族炭化水素は25℃付近で吸熱と放熱を繰り返す。


▼使用方法

「プレサーモC-25」を水で希釈して、繊維に含浸加工する。着量は繊維、不織布の目付により異なるが、目安として10〜20g/u付着するように加工する。バインダーとして大和化学工業(株)製の「ファイコート」の併用を推奨する。


▼注意事項

  • 良く振ってから使用すること。

  • 製品が残った容器は、必ず密栓すること。

  • 本製品と他の製品を併用加工する場合には、予め予備試験等を行い、相溶性を確認の上、使用すること。

  • 染色布に加工する場合は加工上がりの時点で色目が変わることがあるので、予備試験で確認の上、使用すること。堅牢度についても同様に予備試験を行うこと。

  • 上記に記載された資料内容は、細心の注意を払って行った試験に基づくものであるが、実際の現場作業を確実に保証するものではない。使用に際しては、充分試験の上で使用すること。


▼荷姿

16kg/アトロン缶
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