反応染料の短時間除去洗浄技術
コタニ化学工業株式会社 代表取締役社長 小谷 卓
2. 最近の研究動向
反応性染料の洗浄に対する欧米の研究は最近でも常に活発であり、 その傾向としては、 現場生産行程に添って装置もシミュレーション化し、 各槽での染料ハキ出し(wash out)量の解析を行なう方法が共通している。
染色、 捺染蒸熱後のホット〜コールド・リンスの温度、 時間のかけ方、 加工速度、 浴比による染料除去率の測定等も比較的多いのが特長である。
これは多分に最近の重要な課題である以下の項目、 例えば、
1) 水、 エネルギー、 時間、 の低減・節約。
2) 行程、 操作の合理化、 簡略化 (ex,小浴比短時間洗浄)。
3) 管理システムの標準化、 コストダウン。
4) 廃水処理量の減少、 管理、 と環境保護の適正化。 |
等を根底にして、 合理的な大規模洗浄を科学的にコントロールする必要性から出発しているのである。 いくつかの例を列挙すれば、
1官能性と2官能性の染料の連続ソーパーでの温度差による wash-off 性の相違(1)(4)。
未固着染料、 加水分解染料の wash-off では、 特に高親和力の場合、 高温リンスが最も効果的で、 パッケージ染色後のリンスと washing の最適化をパラメーター表示し、 温度による効果の増減、 pH、 塩濃度、 流量比の関係を測定している(3)。
Aspland(2)は、 未固着染料と加水分解染料に対する除去温度、 適切条件の設定において、 高親和力の成分除去にはホット・リンスから始めることが良いが、 逆に色相消色、 きびしい温度条件や pH の高と低では、 加水分解が起ることを指摘している。
Thomsen(5)も、 高親和性加水分解染料成分のハキ出される総量の内、 高温95℃〜70℃のリンスで、 50%以上が除去されることをグラフ表示している。
G.L.Bhalla(6)はソーピング等でのアルカリ加水分解を求核置換反応のSN2メカニズムで表示し、 染料の転位状態、 部分結合の説明を行っている。
小谷(7)は、 最適洗浄条件の設定と、 白場汚染防止を兼ねたソーピング剤の適切な応用技術について記述している。
以上の様に最近の研究では、 温度の適切な応用に重点を置いたものが多い。
|