反応染料の短時間除去洗浄技術
コタニ化学工業株式会社 代表取締役社長 小谷 卓
4. 反応性染料用ソーピング剤 「クインソープ」(EMILL)について
適切な反応性染料用ソーピング剤を設計するに当たり、
- 水質、 硬度に影響されないこと。
- 洗浄効果が、 温度に大きく左右されない、 かつ低温でも充分な洗浄効果を発揮すること。
- 染料を引き出す親和性、 加水分解染料成分と付加化合物を形成する性能は好ましいが、 繊維にはいかなる親和力も示さないこと。
- 洗浄後の変色を来たさないこと。
- 脱落染料の拡散性、 分散性、 溶解性を促進させ、 水温、 布の機械的移動、 流速、 撹拌、 絞り回数、 リンス回数等の補助作用を利用することにより、 更に脱落し易い状態にさせ得ること。
以上のような点を前提として、
短時間での強力な脱落洗浄力
小浴比における充分な洗浄効果
脱落染料の再汚染・再付着防止
洗浄後のリンス回数の低減 (すすぎ易さ)
起泡性 (低泡〜無泡性)
等の各項目に重点を置いて開発したものが、 当社商品 「クインソープ」 (EMILL)である。
当社 「クインソープ」 (EMILL)は、 その性能別に大きく(A)〜(D)の4つのグループに分類され、 それぞれ下記の特長を有した高性能商品である。
| (A)グループ |
脱落除去性の他に、 脱落染料の再汚染・再付着を特に強力に防止する性能を有する。
捺染物に適する白場汚染防止洗浄剤で、 安価汎用タイプである。
G-170, G-100, G-50 |
| (B)グループ |
優れた脱落洗浄力と、 汚染部分の除去性が良い、 コンク品のタイプ。
2Gconc, 2Gconc new, BZconc |
| (C)グループ |
脱落除去性と、 脱落染料の再汚染・再付着を防止する性能をバランス良く有し、 ((A)と(D)の性能) 最も一般的に使用される安価・汎用タイプ。
R-60, YK, 2G |
| (D)グループ |
強力な脱落洗浄力と、 再汚染・再付着防止性能を有する。 特に汚染部分の除去性に優れた効果を発揮する。
5Gconc・SK-D…濃色捺染物にも適する。
G-A…濃色染色物 (Black など) に適する。 |
第1表にこれらの性能・用途・その他の特長等をまとめて示す。
第1表 クインソープ(EMILL)グループの特長・性能・使用法
次に具体的に使用結果のデーターを記述すると、
第2図は、 ポリエステル/綿交織布 (ボーダー柄) を、 Reactive 黒 (VS 型) で綿側のみ染色した際、 ポリエステル側は白残しできずある程度汚染してしまう。 この片サイド染色物を60℃・75℃・90℃でソーピングした後、 綿側に付着している未固着染料と、 ポリエステル側に汚染している反応性染料の量を測定しグラフに示した。
第2図 - ポリエステル/綿交織布の反応性染料による片サイド染色布を
各洗浄法でソーピングした後の両サイドの汚染状況
Aはソーピング剤を使用していない。 90℃の高温洗浄により、 綿側の未固着染料は半分以上除去できるが、 ポリエステル側の汚染はほとんど除去不能である。
BCは他社ソーピング剤を使用。 ポリエステル汚染部の除去は不完全で、 STPP (トリポリリン酸ソーダ) を併用しても効果は向上しなかった。
DEはクインソープ SK-D を使用。 75℃以上のソーピングで両繊維上の汚染染料を非常に効率良く脱落洗浄することができた。 STPP の併用により更に効果が向上しており、 STPP が有効に作用していることがわかる。
第3図は、 反応性染料で染色した綿布を、 各ソーピング剤を使用し60℃・75℃・90℃で洗浄した際の、 汚染防止効果と洗濯堅牢度を比較した結果である。
第3図- 綿:反応性染料染色布を各洗浄法でソーピングし、
ソーピング時の汚染防止効果とソーピング後の洗濯堅牢度を比較
試験方法は、 綿100%ニット布を C.I.Reactive Red120で染色後、 水・湯洗を省略し、 直接ソーピングする。 白場汚染防止テストは、 ソーピング浴に白布を一緒に入れ、 白布への色移りを測定。 洗濯堅牢度テストは、 染色布だけをソーピング→乾燥後、 白布を添付し、 ラウンダオメーター JIS A-4法にて、添布白布への色移りを測定する。
Aは脱落力・汚染防止力共、 ある程度バランスが取れている一般タイプ。
Bは脱落力が無い為、 白場汚染はしないが、 堅牢度は極めて劣るタイプ。
Cは脱落力は強いが、 汚染防止効果が悪いタイプ。 その結果、 染料の再付着が大となり、 堅牢度が劣る。
この様に、 ソーピング剤の種類により効果は種々変動する。Dのクインソープ G-170は0.5g/Lの低濃度で、 白場汚染防止効果・洗濯堅牢度共、 非常に優れた結果を示している。
染色、ソーピング終了布の堅牢度チェック(染料のブリード試験)
| 他社品
2 g/L
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クインソープ
5G conc
1 g/L |
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試験方法
綿布をCI Reactive Black 5で染色
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80℃×10分ソーピング後、乾燥
↓
ソーピング後の染色布と綿白布をたてに縫いあわせる(短冊状)
↓
染色布の下端を非イオン活性剤0.5g/L液に浸し、20℃×10分放置
↓
染色布の残留未固着反応染料が、白布にブリードする程度を判定する |
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