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高付加価値加工剤

1. 乳化分散技術と加工剤開発取り組み

高松油脂(株)製造拠点がポリエステル繊維の産地であることから、繊維用機能性加工剤として、主にポリエステル用加工剤が要求されます。ポリエステル系加工剤は、わが社の商品の柱となっており、ポリエステル樹脂の乳化分散技術も、またわが社の主要技術となっております。 (表1参照)

表1 加工剤部門別乳化分散技術

区分 被処理物 原料 製品 用途
樹脂 ポリエステル エンジニアプラスチック樹脂 EX-200A、 S
コムスドライ500
柔軟剤
ポリエステルシリコーン
共重合樹脂
コロモデルT-105 柔軟平滑剤
ポリエステルポリアルキレン
グリコール共重合樹脂
DCOM35-6
DCOM SOFT 35
柔軟剤
SR-1000、SR-1800、SR-1720
SR-6200、SR-5000
吸水SR柔軟加工剤
吸水SR加工剤
エステル   アクリナーW-310 綿用柔軟剤
ポリアミド   ラノテックスES、
ラノテックスTKM
綿用柔軟剤
ポリエチレン   ネオラスターU-3、U-7 柔軟平滑剤
オイル シリコーン ジメテル、アミノ、エポキシ、
カルボキシ
KSE-30、TKシリコンAS-65
TKシリコンEP-01、KT-850
柔軟平滑剤
含ハロゲン
エステル
  NA-690L 難燃剤
天然系 ワックス パラフィン、カルバナ、蜜蝋 イエローワックス3
TKクリーナーSW
洗車用シャンプー
ワックス
動物系 ラノリン、牛脂、スクワラン フィニッシュエーゼントC3
マイルドフィニッシュ20P、AY
天然加工剤
シルクフィブロイン ナチュラスSP-5 天然加工剤
キトサン、卵白 SA-50、SA-610、OST-702 抗菌剤、艶出剤
植物系 グルコマンナン ハイレジンCON 天然加工剤
ジルコニウム ジルコニウムステアレート ネオラックスSALK 撥水剤
粉体 珪酸塩鉱物 TS-1972 消臭剤


わが社の代表的ポリエステル系加工剤としては、EXシリーズ、SRシリーズ及びDCOMシリーズが有ります。

EXシリーズ及びDCOMシリーズは、ポリエステルジャージー、ニット等に柔軟ストレッチバック性を付与できる加工剤です。(図1、2参照)


図1 ポリエステル系柔軟剤構造

図2 ストレッチバック性
伸長、回復率測定

試料:ポリエステルジャージー 15×5cm
荷重:530g×1分以上の長さ(L1)
除重3分後の長さ(L2

伸長率=(L1/15-1)×100
回復率=(L1-L2)/(L1-15)×100



SR-1000シリーズは、疎水性繊維であるポリエステル繊維に吸水、Soil or Stain Release(SR)性能を付与できる加工剤です。(写真1 バイレック法、写真2 SR処理布ローリングアップ、写真3 SR加工布SR性参照)


写真1 バイレック法
写真2 SR処理布ローリングアップ
写真3 SR加工布SR性


これらのポリエステル系加工剤は、ポリエステル共重合樹脂を水分散したもので、構造中にポリエステル構造を有することよりポリエステル繊維に親和力を持ち、機能は勿論のこと、浴中処理できる加工方法に特長が有ります。

ポリエステルは通常、130℃の高温高圧染色にて染色され、中濃色染色の場合、アルカリ、ハイドロサルファイトにて還元洗浄(RC)が行われます。染色後仕上げ加工は、加工剤を添加したパッド浴に生地を浸漬し、マングルにて加工液を絞り、乾燥工程に入るパッド法にて行われます。

EX-200A、SR-1000シリーズは、ポリエステルの染色工程中に添加でき、染料、均染剤、染色助剤、還元洗浄助剤と併用して使用できる加工方法に特徴が有ります。染色、還元洗浄浴中処理により、機能性付与成分のみが繊維に吸着、吸尽し、染色堅牢度の低下を最小限に抑えることが出来、また仕上げ工程の省略が行えるメリットが有ります。(図3参照)


図3 ポリエステル加工剤吸尽処理

    浴比: 1:10〜20   浴比: 1:10〜20
    染料: X%owf.   苛性ソーダorソーダ灰 1〜2g/L
    均染剤: 0.3〜1g/L   ハイドロサルファイト: 1〜2g/L
    酢酸: pH=4〜7   界面活性剤: 1〜2g/L
    SR加工剤: 2〜6%owf.   EX-200A: 2〜3%owf.
    *ニューレベリンRD-10E
      弊社均染剤

ポリエステル用吸水、SR剤としてSR-1000シリーズを上市しておりますが、ナイロン、アクリル繊維用には、ラノゲンシリーズ、アクリナーNAシリーズ等の吸水SR加工剤も上市しております。これらの加工剤もパッド法のみならず、ポリエステルと同様、染色等浴中処理が出来る加工剤です。

吸水、吸汗性、ストレッチバック性能を有するこれらの加工剤は、スポーツ衣料、インナー、カーテン、不織布等衣料から産業資材にいたるまで幅広い用途に高性能を付与し、高いシェアーを占めています。(表2参照)

表2 ポリエステル系加工剤用途
EXシリーズ(ニット用柔軟ストレッチ加工剤)
SRシリーズ(吸水SR加工剤)

用途 要求性能
スポーツ衣料 吸汗性、吸水性、ストレッチバック性
不織布、布巾、お絞り 吸水性
ワーキング衣料
テーブルクロス
吸汗性、汚れ除去性
カーテン 汚れ除去性、難燃阻害なし

機能性加工剤は、その加工剤処理した繊維の性能のみならず、加工工程の省エネルギーも配慮した加工剤づくりも行っています。
一例として、ポリエステルオリゴマーソーピング剤ディスパロンG-55Kや染色洗浄剤ネオポランRC-500が有ります。

ポリエステル繊維は、約1.5〜3.0%の低分子量成分を含み、これが一般的にオリゴマーと言われているものです。ポリエステル繊維、及びポリエステル混紡品の織、編物の染色加工を行う場合に、高速紡糸化によるオリゴマーの増加、あるいは風合い向上のために苛性ソーダによる減量加工より分解生成したテレフタル酸等による種々の汚れの問題があります。

ポリエステルの高温高圧染色において、オリゴマーは繊維内部から浴中へ溶出し、種々のトラブルの原因となります。構造的には環状の3量体が約95%であり、常温では水に不溶、高温下(130℃)では少し溶解し、冷却時に析出します。

オリゴマーは、染料と親和性を持ち、オリゴマーが核になり染料が2次凝集し、目づまり、ターリングを誘発します。特に染色浴中にカルシウム、マグネシウム等の金属イオンが存在すると、冷却時、特に酸性サイドにて析出しやすくなります。

特にフィラメント糸やその編織物で問題になり、チーズ、ビーム染色等の浴比の小さいフィルター染色にてしばしば、目づまり、ターリングを起こします。
また糸、繊維表面に析出してその平滑性を損ない、製織性や編立性の劣化、及び白粉事故の原因となるものです。染色機壁に付着し、熱効率の低下や染色機の洗浄回数を増加させます。

染色工程における、オリゴマー除去、及び染色前に減量加工されたポリエステル繊維のソーピング剤としてディスパロンG-55Kや染色機洗浄剤としてネオポランRC-500を使用することによりこれらの問題が軽減されます。(写真4 ポリエステルオリゴマー分散試験、写真5 缶体洗浄試験参照)

写真4 ポリエステルオリゴマー分散試験(黒濾紙)
DISPERON
G-55K
酸サイド pH=5
0 g/L
0.5 g/L
DISPERON
G-55K
アルカリサイド
pH=10 pH=12
0 g/L
0.25 g/L
0.5 g/L

写真5 缶体洗浄試験

洗浄前
洗浄後
汚染ポット
NEOPOLAN KC-10 0g/L
NEOPOLAN KC-10 5g/L


高松油脂(株)は、各種樹脂等のエマルジョン化技術、重合技術、配合技術、複合機能設計技術を用いて機能性加工剤を作り出しています。(図4参照)

図4 Where/What/How

高松油脂(株)の主要分野は、繊維用機能性加工剤の開発ですが、近年繊維以外の化学品部門に注力しており、一例として、IC関係の急速な発展に伴い各種印刷機器が登場する中、フィルムプリンター用インクジェット受容層薬剤を上市しております。

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