各種システムには、下記のものがある。
@事前準備システム
A助剤・染料注入システム
Bレサイプ自動短縮システム
C自動布速制御システム
D高温排液水洗システム
EPHコントロールシステム
F低液釜洗システム
(図1)にポリエステルタフタの染色レサイプを示す。上段が従来の染色レサイプで下段が各種システムを採用した場合の染色レサイプである。各種システムを採用することにより、従来染色加工時間が180分かかっていたものが120分で染色加工が可能になる。図1の染色レサイプを例にして、各種システムの効果について詳細に説明する。
4-1) 事前準備システム
このシステムは、染色機に生地を投入するまでの作業を省力化するシステムである。すなわち作業者の作業時間短縮及び作業者の人為的ミス防止のシステムである。これまで人の介在がどうしても必要であった染色準備作業を自動でさせ、作業者の拘束時間を減少させて、機械の受け持ち台数を増やす事が出来る。具体的には、染色プログラムをセットすると自動的に設定液面まで給水し、生地の投入温度まで昇温して、助剤投入を自動で行い作業者をよびだし、生地を投入させるシステムである。
4-2) 助剤・染料注入システム
このシステムは、省力化、人為的ミス及び染色品位の再現性を向上させるシステムである。人が、手動で染料や薬品を注入する場合どうしても個人差が発生し、染色トラブル(ミス)につながる。生地のスピードや温度、液量を機械が監視し、最適条件で染料や薬品を自動でコントロールして注入する。(図2)にそのフローを示す。
4-3) レサイプ自動短縮システム
このシステムは、自動で最適昇温時間及び冷却時間を設定するシステムである。一般的に、ポリエステル繊維に於いて、分散染料での染色昇温速度は、(図3)の理論式を用いて算出出来る。従って、布長(投入長)により適正な昇温速度を決定できる。このシステムは、秒数(布帛が一循環する時間)、使用ノズル・圧力を入力するだけで、自動的に昇温カーブ(昇温速度)を変更し、最適な制御をおこなう。
染色工場においては、付加価値商品の加工が増加し、加工内容が他品種小ロットに変化してきており、染色する生地の長さ(重さ)が、毎回変化する。このシステムでは、標準レサイプを設定しておけば、毎回レサイプを変えなくても、布長に応じて、自動的に布長に応じた適正な染色レサイプを決定し、適正な染色条件で染色ができる。具体的な例を(図4)に示す。ポリエステルタフタ(反物長700m)を染色する標準レサイプ(上段)で、反物長が500mに変化した場合、自動的に下段のレサイプに時間短縮すなわち昇温速度を早くして染色をおこなう。
4-4) 自動布速制御システム
液流染色機で反物を染色する場合、低温領域から高温領域へ温度が変化していく過程で、布速は温度により変化する。これは、水の粘性変化及び反物の温度による物性変化による。布速が変化すると生地にダメージ(メヨレやスレ)が発生する。自動布速システムは、染色開始から染色終了まで生地の種類に応じて、適正スピードで自動コントロールし、反物に品質欠点を発生させないシステムである。
4-5) 高温排液水洗システム
高温排液水洗システムとは、冷却と水洗を同時におこなうシステムである。具体的には、染色最高温度の染色排液と水洗水を、熱交換器を介して徐々に液置換しておこなう。(図5)
このことにより槽内の液は、徐々に冷却されながら水洗水に置換され、最終的には、槽内の液が新しい温水と置き換わる。当社1フロー標準機(標準容量120〜150kg)で、130℃から80℃まで約20分で高温排液水洗をおこなう場合、水の使用量は約3000Litとなる。
高温排液水洗のメリットは、ポリエステル染色を例にあげると、高温排液水洗をおこなうことにより、これまでの冷却工程が水洗を兼ねるため、通常の水洗を削減することが出来る。このことにより、染色機の熱交換器で冷却するための冷却水は不要になり、また還元洗浄工程も省略できることから、水の使用量が大幅に削減できる。同時に、工程省略(還元洗浄、水洗)ができるため、トータル染色加工時間の大幅な短縮がはかれる。また複合的な効果として、染色最高温度から染液と新温水との置換を始めるため、槽内の不純物が高温で溶解されたまま排出され、オリゴマー等が生地又は釜に付着することが非常に少なくなる。その結果、釜洗を従来に比べて大幅に少なくすることができ、釜洗回数が少なくなることから、染色機の稼働率があがり、生産性が向上する。
4-6) PHコントロールシステム
ナイロンや羊毛の染色で使用する酸性染料は、染色斑になりやすくまた染色の再現性も悪い。酸性染料は、その染着スピードは、PH依存性が高く、酸の投入の仕方で斑染めになる。作業者が手動で酸を投入する場合、どうしても個人差が発生し、結果的に品位が安定せず、再加工が発生する。PHコントロールシステムは、染液のPHをセンサーで検知し、温度制御と同期をとりながら、染料の染着スピードを監視しながら酸を定量注入し、均一に染色するシステムである。(図6)
酸の注入以外にも、綿の染色に使用する反応染料のアルカリの定量注入にも適用が可能であり、注入作業の省力化や人為的ミスを防ぐ事が出来、染色の再現性が大幅に向上するシステムである。
4-7) 低液釜洗システム
染色機の釜洗浄は、汚れ事故を出さない為に必要な工程である。しかしながら、釜洗浄を行っている時は、機械は生産に寄与せず、無駄な工程といえる。出来るだけ釜洗浄の回数を減らし、また釜洗浄にかける費用も抑え、短時間で終了する必要が有る。従来は、釜洗浄は染色機に水を満液まで張り、薬品を入れ染色と同じ様に130℃まで昇温して、冷却、中和、水洗して完了する。この低液釜洗システムは、従来の半分の液量で釜洗浄が行えるシステムで、槽内に取り付けた特殊ノズルを使用して、缶壁をポンプのジェット水で洗浄するシステムである。(図7)
短時間で、低コストで洗浄することができ、生産性向上及び省エネがはかれる。
日阪製作所が最近、開発した機械装置及びシステムについてこれまで説明してきた。これまで説明してきた内容は、現在行われている水系での合理化システム及び省エネ、省人システムである。将来の染色を考えた環境にやさしい超臨界染色装置の研究開発も行っている。その現状と問題点について説明する。
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