機能性加工における布目矯正の重要性
5. 布目曲がりの検出
自動布目矯正機の最も重要な部分が、布目曲がりの検出である。布目検知器の性能が、すなわち自動布目矯正機の性能であるといっても過言ではない。冒頭でも述べたように、近年、綾織(ツイル)や朱子織(サテン)、立体織(ダブルラッセル)などの複雑な織り組織を持つ布が多くなっている。布目矯正において、様々な布の布目曲がりを精確に検知できる事が最大のポイントである。
布目曲がりの状態を検出する方法は、数個の検知器を生地の幅方向に適当な間隔をもたせて配置し、緯糸の布目曲がりの斜行成分、湾曲成分を検出できるようにしている。布をはさんだ反対側から光を透過させて検知する透過式検知と、検知器と同じ側から光を反射させて検知する反射式検知の2種類の検知方法がある。布表面の状態の影響を受けないので、透過式検知の方が反射式検知よりも精確かつ安定した検知ができる。遮光カーテンなど光が透過しない布の場合は、反射式検知が有効である。
また、布目検知器の検知機構については、スリット検知方式とモアレ検知方式の2種類がある。スリット検知方式は、平織のような簡単な織り組織の布については有効であるが、より高度な検知方式であるモアレ検知方式は、綾織や朱子織などのスリット検知方式では不可能な複雑な織り組織の検知が可能である。
(1) 布目検知器
以下に、スリット検知方式とセーレン電子が独自に開発したモアレ検知方式の簡単な説明を示す。
(A) スリット検知方式
角度を付けて配置したスリットを利用して、布目曲がりを検出する検知方式である。最新の技術では、布の密度や緯糸の太さに応じて検知スリットの大きさを光学的に最適化するズーミングスリット検知方式がある。このズーミングスリット検知方式であれば、高密度の布や、モアレ現象の出にくい布の検知が可能である。(図−6)
| 図−6 スリット検知方式 |
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(B) モアレ検知方式
デンシメータを介してできるモアレ現象を利用して、布目曲がりを検出する検知方式である。綾織や朱子織の布の場合、本来検知すべき緯糸の目曲がり信号ではなく、綾目による信号に基づき布目矯正を行う可能性がある。この誤検知を防ぐためには、布の密度を考慮する必要がある。このモアレ検知方式であれば、緯糸の密度を特定する事により、緯糸のみの信号を検知することができる。(図−7)
| 図−7 モアレ検知方式 |
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(2) 投光器
布目曲がりの検知において、光を照射する投光器も検知性能に大きく関係する。光源としては、LEDを使用する方法とレフ電球を使用する方法の2種類がある。前述のように、反射式検知に比べて、透過式検知の方が精確かつ安定した検知ができるが、高密度の布や立体織の布など光が通りにくい布を検知する場合、精確かつ安定した検知をするには、光量が多くなければならない。また、モアレ検知方式はスリット検知方式に比べて、広範囲で大光量が必要になる。現在は小型で大光量のLEDが開発されているが、光量としてはレフ電球の5分の1程度の弱い光であるため、検知能力の限界を犠牲にしてしまう。更には、LEDの場合、一般的に光量の分布にムラが生じやすく、布の組織が複雑になるにつれて、その不均一性が布目曲がりの検知において障害となる。従って、セーレン電子は、ランプの寿命よりも検知の限界性能を重視したレフ電球を採用している。 |